28人が本棚に入れています
本棚に追加
すると
プシュー
と音をたて
勢いよく爆弾から白い煙りが放出される
!?
「なんだ?!まさか毒ガス
俺は選択を間違ったのか?」
口元に袖を押し当て
煙りから逃れようと
箱から一番離れた部屋の隅へと移る
が、煙りはままたくまに密封された部屋に充満していく
ゲホッ!ゲホッ!
意識が薄れる
「母さん、こんな息子でごめん。
産んでくれてありがとう…
ちゃんと伝えられなくて…ゲホッ…ぅう」
倒れる男
「…誕生日、お‥めでと…ぉ」
…………
「………です…」
「だ…ょう……ですか!」
?
誰かが俺を呼んでいる?
段々声がハッキリしてくる
「大丈夫ですか?!」
はっとして
辺りを見渡す
ここは
会社に向かう途中の道?
どうやら道端で倒れていたらしく
通りすがりの人が心配して声をかけてくれたらしい
「すいません…大丈夫です」
「本当に?救急車呼んだ方が…」
「いえ、ちょっと貧血起こしただけですから」
どのくらいの時間倒れてたのか知らないが
なんだか申し訳なくて
咄嗟にそう言ってしまった
「貴方がそう言うなら…」
そう言って親切な人は立ち去った
見ず知らずの俺に
あんなに心配そうに…
世の中捨てたもんじゃないな
「にしても…あれは夢だったのか?」
幻でも見たかな
そう思い服の乱れをなおしていると
胸ポケットに何か入っていた
!
「やっぱり夢でも幻でもなかったんだ」
「正しい選択だった様ですね…」
男に背を向け歩く人物がそう呟いた
最初のコメントを投稿しよう!