序章 -月夜の邂逅-

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-かつて計り知れぬ力を持った魔導師が居た。 様々な魔法で数え切れない奇跡を起こした存在。 その魔導師は長きにわたる旅を終えて、とある場所に辿り着く。 魔導師や魔術師とはいつの世にも存在するが、決して表舞台にはその姿を現さない、稀な存在。 故に人の居ない場所に住み、ひそかにその生涯を終える。 それが魔導師たる彼の決断。 彼はその場所を人生の終わりの地と定めた。 近隣を山で囲まれ、人里離れたその地で静かにその生涯を終える。 …はずだった。 しかし、彼の名を知る魔術師達が彼の元に集まりはじめ、いつしかそこには小さな集落が出来た。 -魔術師の村。 決して知られる事の無い秘密を持った村。 やがて彼らの魔術は子孫に受け継がれていく。 その村に古くから住む者だけが知る様々な魔術を伝承して。 続いていく。
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