序章 -月夜の邂逅-

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数百年の後。 その村は街に姿を変えて今もその地にある。 その街の名は雷榮。 「らいえい」と読む。 その街ではほとんどの住人が魔術師の末裔であり、当たり前のように様々な魔術を扱う事が出来た。 しかし、長い時を経て魔術師の血は薄まり、多くの者はレベルの低い、ささやかな魔術しか扱えなくなっているのだが。 当然、一部には魔術を使えない者も居る。 それは元々この地の出身でないからだ。 外の世界からこの街にやって来た者の中には魔術の事など知らない者も多い。 それでもその街は極めて普通の町として人々はごく当たり前の生活をしていた。 -その時が来るまでは。
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