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公園の前に差し掛かると、ヨシは目を細め遠くを見つめた。
俺には、ヨシが何を考えているのかわかった。
ここで起きた、あの忌まわしい事故のことだ。
「なあ、翔」
「ん?」
「お前は俺を恨んでないか?」
「何だよ今さら」
真顔でそんなことを訊いたヨシに、俺は思わずブッと吹き出した。
それから、すっかり梓の血痕の消えたコンクリートを力強く踏み、笑って言った。
「お前は俺たちの親友じゃん」
その気持ちに嘘はないんだ。
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