恋×友情-side 翔-

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結局テストはできなくて。 それでも何とか赤点を免れた。 俺ってなかなかやるな。 なんて、自分で自分を褒めてみた。 「だりぃな~」 授業をサボって屋上で昼寝中の俺。 寒くて昼寝どころじゃないのが現実だけど、吐いた息の白さに冬を感じずにはいられない。 屋上から見える景色はけっこう気に入っていて、高い建物が何もない自然に囲まれたこの田舎も、嫌いじゃない。 冷たい風が草木を揺らす。 「さみぃな」 独り言を呟き、あまりの寒さに屋上を去ろうとドアのノブに手を掛けると、ノブが勢いよく回り、見慣れた顔が目の前に現れた。 「見つけたー」 俺の顔を見るなりそう言って顔の筋肉を緩めたのは早苗だ。 短いスカートが、強い風に揺れる。 女は足を出していて冬は寒くて大変だな。なんてどうでもいいことを言いそうになってやめた。 そんなこと言ったら、俺、オヤジみたいだもんな。
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