夢×思-side 梓-

2/29
1775人が本棚に入れています
本棚に追加
/149ページ
ヨシと付き合い始めて2ヵ月が過ぎた。 この2ヵ月で、自分がどれだけヨシのことを知らなかったのか思い知らされた。 3人はいつも一緒にいたのに、あたしは翔のことばかり見ていたようだ。 つむじが2つあること。 緩いウェーブはパーマではなくて天然だったこと。 好きな食べ物も、嫌いな食べ物も知らなかった。 「梓、手繋いでいい?」 「あ、うん」 あまり表情には出さないけれど、あたしを大切にしてくれるヨシ。 優しくて、温かな体温。 重なる唇が震えた時も、はじめて触れ合った夜も、ヨシはいつだってあたしをリードして気遣ってくれていた。 ぶっきらぼうで、照れ屋な翔と、感情をあまり表に出さず落ち着いているヨシ。 2人は対極にいる。
/149ページ

最初のコメントを投稿しよう!