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ヨシの気持ちには薄々気づいていた。
それもそうだろ?
いつも一緒にいれば、見たくないものも目に映る。
梓を見るヨシの目が、言葉以上にその気持ちを物語っていたから。
だけどさ、俺もずっと梓だけを見てきたんだ。
きっとヨシが梓を好きになる前から、ずっとずっと好きだったんだ。
「がんばれよ」
俺はヨシにそう言ったっけ。
そんなこと本当は微塵も思ってない。
でも、ヨシは大切な親友なんだ。失いたくない友達なんだよ。
意気地なしって言われようと、俺はこういう人間だ。
地元にある高校に進学した俺たちは、今も仲良しだ。
けどひとつ、変わったことがある。
2ヶ月前から、ヨシと梓が付き合いだした。
俺は決めたんだ。
この気持ちは、胸の奥にしまうんだって。
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