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真夏の昼下がり。
ジンジンと熱が増して行く外の世界とは打って変わって冷房の効いた涼しい部屋に横になっていると伊緒ちゃんが俺の服を引っ張る。
「……行ってくる。」
伊緒ちゃんは夕飯の買い出しにでも行くのだろう。
しっかりと青いエコバックを右肩に常備していた。
「偉いな伊緒ちゃんは。」
俺には服を着たままサウナに入るような真似なんてできないのに。
食料とか金があるなら出前で充分過ぎると思わないか?
そして伊緒ちゃんは照り付いた世界に勇敢にも立ち向かった。
「さて、俺は真理タンと話してくるかな。」
そしてまた真理タンと数分のお喋りをしていると家のインターホンが鳴ってしまったが俺は居留守を使うことにした。
どうせ鍵かかってるし俺がいるなんてバレないよな。
数分したら俺のパソコンにメールが届いた。
「誰だぁ?
えっと、貴方がいるのはわかっています。
光アイトさん。
どうして玄関に来てくれないんですか?」
俺が内容を読み上げた時に軽い寒気を感じた。
なんで俺のことを知っているんだ。
俺がここにいることを知っているのはたった5人。
「伊緒ちゃんのいたずらかな?」
俺は伊緒ちゃんと勝手に仮定して玄関を開けた。
「こんにちは。
初めまして天才プログラマーの光アイトさん。」
ドアを開けたらそこには1人の女と1人の男がいた。
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