人生の相方……?

5/9
前へ
/196ページ
次へ
「相棒!」 玄関を開ける。 おかしいな。 いつもなら、返事するんだけど。 猫缶の入った袋を、下駄箱の上に置く。 「ネコ……?」 ソファの定位置で、動かない相棒がいる。 ちょっと待てよ。 よく見てみると、腹は上下運動している。よし。生きてるな。 「大丈夫か?」 そっと頭を撫でると、閉じていた目をゆっくり開けた。 俺はそのままネコを抱えて、あの病院に走った。よくわかんないけど、まだ死んでもらいたくない。 「うーん。歳が歳だからねぇ……。老衰……だな」 一応、点滴を打ってもらう。 ネコは目を閉じて、じっとしていた。 老衰か。 いつ死んでもおかしくない。そう言いたいんだろうな。 結局、病院では何もできず、元気のないネコを連れて帰る。 「あ!もしもし?俺。あのさぁ……」 母さんに電話をした。 俺が仕事に行ってる間、ネコを看ていて欲しかったから。 「どうしたの?セイジが猫!?」 驚く事……だよなぁ。 昔から俺は、動物を飼いたいって言わなかったし。 服に毛が着くのが嫌だから、犬や猫のそばには行かなかったからなぁ。
/196ページ

最初のコメントを投稿しよう!

226人が本棚に入れています
本棚に追加