226人が本棚に入れています
本棚に追加
「あんたはいつもそうだよね!」
「どうしてそんなに自分勝手なの?」
「付き合いきれない!」
バーカ。俺が『付き合ってやってる』んだよ。わかれよ。
お前らがいなくても、女なら他に山ほどいるんだよ。
「とりあえず、もういいわ。連絡して来んな」
俺の周りに、女がわんさか寄ってくる。
ちょっと構ってやった奴から、付き合った女まで。
『いい歳して、バカじゃないの!?』
その全員が声を揃えて言った。
「歳の事は言うな!」
自分の寝言に起こされた。
29歳の男子も、30歳になるのは少々抵抗があるんだよ。
一般的には『落ち着く歳』だろうけどよ、俺は嫌なんだよね。
所帯持って、あくせく働くなんて。それなら、適当に女作って、女から女へ渡り歩きたいね。
「人はそれをロクデナシと言うのさぁ」
そこら辺に脱ぎ散らかした服を持って、風呂場へ向かう。
洗濯機を開けて、今脱いだパンツもインだ。
家事ならできるから。メシだって作れちゃうんだな、これが。
だから別に、独り身でも問題ナッシング。気楽でいいってもんだ。
熱いシャワーを浴びて、目覚めの悪さを飛ばす。
ワックスでコテコテになった頭を、2回シャンプー。
最初のコメントを投稿しよう!