俺様

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「あんたはいつもそうだよね!」 「どうしてそんなに自分勝手なの?」 「付き合いきれない!」 バーカ。俺が『付き合ってやってる』んだよ。わかれよ。 お前らがいなくても、女なら他に山ほどいるんだよ。 「とりあえず、もういいわ。連絡して来んな」 俺の周りに、女がわんさか寄ってくる。 ちょっと構ってやった奴から、付き合った女まで。 『いい歳して、バカじゃないの!?』 その全員が声を揃えて言った。 「歳の事は言うな!」 自分の寝言に起こされた。 29歳の男子も、30歳になるのは少々抵抗があるんだよ。 一般的には『落ち着く歳』だろうけどよ、俺は嫌なんだよね。 所帯持って、あくせく働くなんて。それなら、適当に女作って、女から女へ渡り歩きたいね。 「人はそれをロクデナシと言うのさぁ」 そこら辺に脱ぎ散らかした服を持って、風呂場へ向かう。 洗濯機を開けて、今脱いだパンツもインだ。 家事ならできるから。メシだって作れちゃうんだな、これが。 だから別に、独り身でも問題ナッシング。気楽でいいってもんだ。 熱いシャワーを浴びて、目覚めの悪さを飛ばす。 ワックスでコテコテになった頭を、2回シャンプー。
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