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被害者男性の家から一時、警視庁に帰る事となった。 助手席に座った紀香は、再びカフスボタンをいじくり、一言も喋らない。 「何かあの母親、あったのか?」 先ほどの様子や今の様子を見て、異変に気付いている宗吾は、しびれをきらし、静かに紀香に聞いた。 「うん…。」 と紀香はそう答え、再び黙る。 また、始まった…。 頭の中で宗吾はそう呟き、横目で紀香を見る。 はたから見れば紀香は、真剣になってカフスボタンをいじってるように見えるが、しっかりと事件の事を考えているのが宗吾にはわかった。 このまま、考えさせておくか…。 宗吾は少し口元を上げて警視庁への道を走った。 「今回のようなケースはまれだ。被害者たちの人間関係を徹底して洗え!」 会議の終わりに宗吾は全員にそう渇を入れた。 異国は宗吾や丸山、また上の人間たちの選りすぐりの人間が集まった部署だ。 一課とは、また違う空気に満ち、各自が自分の長所を伸ばせるような環境であるためにヤル気も人一倍だった。 それもあって、 ここは“異国”と呼ばれてしまうのだ。 .
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