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「へぇ…あなた、総神会の人なんですか…。」
そう言って宗吾はチンピラに向かってニッコリと笑った。
「ああ、だからオニーサン、その子、オレに貸しなよ。良いように上に掛け合うからさぁ、こんな店よりも…。」
ヤニに汚れた歯を見せてチンピラは言った。
「そりゃ凄いねー。それより、あなたこういう物を知ってますか?」
と言って宗吾は胸ポケットから警察手帳を取り出し、開いてチンピラに見せた。
「……」
チンピラの顔がどんどん青冷めていくのが手にとるようにわかる。
「人を貸して欲しいって、上に掛け合うってどーゆー意味かなあ?オニーサン?」
真顔で聞くとチンピラは後ずさった。
宗吾とチンピラのやり取りを見て、紀香は笑いを堪えるのが必死の様子だ。
「や、やだなあ…刑事さん、じょ、冗談に決まってるじゃないですかっ!!」
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