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立川が去っていくと、笑いを押し殺していた紀香が笑い始めた。
「おかしー…。にしても、あの立川くんって可哀想だね。」
と笑い終わると言った。
「何がだ?」
「だって…軽く高嶺さんの情報源にされて…。」
そう言った紀香は何もかもを見透かしているようにニヤリと笑う。
「なんの事だか…、行くぞ。」
「…はーい。」
のんびりと答えて紀香は目の前を行く、高価なスーツに身を包んだ宗吾の背中を見た。
本当に怖いなあ、そーごは…。
「何してる?早く行くぞ、橘。」
店の入り口から宗吾が紀香を呼んだ。
「はいはい…。」
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