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宗吾は胸ポケットから金のゴツい警察の紋がついた警察手帳を見せた。
紀香も一歩後ろで同じ行為をする。
「お仕事前に失礼します。警視庁刑事部特別捜査課の高嶺です。後ろは橘です。」
紹介された紀香は小さく頭を下げる。
「はあ…。私はこの店のオーナーでして、桐島と申します。彼女は私の顧問弁護士にあたる村上さんです。」
男はそう言って弁護士の村上を見た。
村上は任せてと言うように頷き、一歩前に出た。
「はじめまして、弁護士の村上です。
警察の方がどのようなご用件でしょうか?」
村上の胸元には、弁護士バッチがキラリと輝き、その輝きと同じく、自信に満ちた顔をしている。
「ああ…ご不快に思ったならすみません。」
頭を軽く掻き、わざと宗吾は低姿勢をする。
少し困った顔もする事により、自分を小さい存在と見させるのだ。
「この方…ここで働いていますよね?」
そう言って宗吾は被害者女性の顔写真を2人に見せた。
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