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話の概要はこうだった。
沢尻たち一課は別の殺人事件を追っかけていて、沢尻さえもが確信できる“クロ”の人間を探り当てた。
だが、決定的な問題がそこで浮かび上がった。
その人物は周囲に“良い人”として、崇められるような存在であること。
被害者とは、それほどまでに接点がないこと。
被害者が殺された時間には自宅にいた事が監視カメラで確認されていること。
「どうも…なんかおかしいんです。」
西田は曇った顔でそう言った。
「だがらな…目には目を、変人には変人をって事でここに来たって訳。」
そう沢尻が西田の話に付け足した。
まるで先程の被害者男性の妻に会う時のような宗吾の考えだ。
同じ考えに宗吾は苦笑いをせざるおえない。
「…そちらに手助けをしたいのは山々ですが、こっちもかなり厄介な事件を抱えてまして…。」
小さく溜め息を宗吾がつくと、ずっとデスクで“豚に真珠”の置物をいじっていた紀香が口を開いた。
「その人、何歳?」
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