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「ガキじゃんじゃなくて、ガキだったの。」
“だった”を矢島は強調させる。
「あの頃は本当に無垢だった。…今みたいに、出世とか、上層部とか、そんなの気にしないでやってこれた…。」
「……」
「成長したんだよ…。成長と言うより、学んだって言った方が良いかもしれねーな」
矢島が小さな溜め息をつく。
「なに語っちゃってるんですか?矢島さんのくせに…。どうせ、現場にしか興味ないんだから良いじゃないですか。」
小さく紀香が笑う。
「くせに…ってな。…確かに上に興味は無いが、出世ってゆーのは、夢なんだよ!」
ふんっと矢島は鼻で笑った。
「高嶺さんに将来、一課の課長にしてもらえるようにお願いしてみたらどうです?」
「あ、それいーねぇ!!」
「俺がなんだって?」
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