60/100
前へ
/562ページ
次へ
痛い所を突かれた宗吾が、苦笑いをする。 2人のそんなやりとりを見た紀香は、急にケラケラと笑いだした。 「いきなし何だよ?」 と矢島が気味悪そうに言う。 笑いをやっと止めた紀香が 「いやだって…それって…私が1番、上ってことですよね?」 とわざとらしく真面目に言った。 宗吾と矢島が黙って顔を見合わせ、2人も笑った。 「確かに、橘が1番上だな。」 「そうッスね…」 「じゃあ、私が誰を駒にするか決める!」 笑いながら紀香が言い、「絶対ヤダ。」と矢島が体の前でバツを作る。 ここにいるのも、 あと少しになるのか…。 紀香と矢島の、くだらないやり取りを、宗吾は遠い目で見詰めていた。 .
/562ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2618人が本棚に入れています
本棚に追加