炭酸少女

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「もお。そんな悲観的なチヨちゃんとは一緒に帰ってあげない」 私が俯いていると指と指が離れて感覚だけが手に残る。 慌てて前を見ると少し先で微笑みながら待ってくれているマナが居た。 「ホントに置いてっちゃうよー?」 まったくあの子は私の扱いが上手いというか、私よりちっちゃいのに大きく見えるというか…なんだろう。 私の甘えを受け止めて叱ってくれるいい友達だ。 だけど1つ履き違えているところがある。 帰るのに着いてきていたのってマナなんだけどな… 「いたたた、なんでもみ上げ?!」 「いいから帰るわよ」 「待って、チヨちゃーん」 足早に下駄箱へ向かいながらも180度体だけ振り返る。 私は意地悪く笑って人差し指で目の下を引き舌をだす。 主導権を握られるのは子供扱いを受けてるみたいで好きじゃないから形勢逆転の一撃。 「下駄箱まで競争、負けたら『何か1つ言うこと聞く』ね!」 「ズルい。走るの苦手だって知ってるくせにー!」 「当然。負ける戦はしない主義っ……あだっ」 振り向く際に脚がもつれたのかそのまま倒れる。 嗚呼ズッコいことしなきゃよかったなあなんて今更後の祭りだって。 マナは心配そうに私の隣をすり抜けて下駄箱まで走っていく。 心配そうな表情だけじゃ私は助からないよ。 そして着地とは程遠い落下をした私は今日スパッツ穿いてて良かったとしみじみ思った。 てか… 「助けなさいよマナあああ!」
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