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「また愛海ちゃん?」
「へへ。大好きって言われちゃった」
「良かったじゃないか」
そう言って玄関にへたり込む私の頭を撫でてくれる。
お兄ちゃんに撫でられると気持ちは落ち着くんだけど、
私は反射的に手を振り払って後ろに飛び退いてしまう。
私が男を苦手になった原因。
あの時の事が不意に脳裏をよぎって男は全部体が勝手に拒絶する。
「ご、ごめん。アタシ…」
「いいよ。あの事も含めて全部僕が悪いから」
「でもアタシまさニィは嫌いじゃないもん」
たとえ原因を作った男だとしても私はお兄ちゃんを嫌ったりしない。
だってあれは自業自得って言うか、私にも責任はあった。
そう。夜中にお兄ちゃんのベッドに忍び込まなければこんなことには…
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