炭酸少女

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「…」 忙しなく動く指先をじーっと見つめる。 その指にはシャーペンが握られていてさっきから字を書き続けている。 向かい側に座る私は肘をついてそれ眺める事にした。 用事も持たないから帰るもこともできたが、今は彼女の仕草を見る方が私の用事になった訳だ。 この綺麗な指の持ち主はみんなのアイドル的存在にして私の友人、名前は一ノ瀬愛海と言う。 私が自慢する事じゃないが常に告白されるモテモテな女の子。 しかも男女関係なくモテる。 だけど私はマナだけはそんな目で見たくない。 ずっと友達のままでいたいから。 近いようで遠い距離が一番傷つかないんだ。 「そんなに見られると勉強しずらいよー」 と、困った顔で微笑むマナ。 しかしその笑顔は一瞬で教科書に隠されてしまう。 …ああ可愛い。こりゃ誰も黙っちゃないわ。 教科書を取り上げてマナの顔を見たいけど、私が悶絶しそうだから止めとこう。 鼻の上の眼鏡を上げてもう一度マナを見る。 こんなマナを見るといつも頬の筋肉は柔らかくなり、目を細めて微笑んでしまう。 自分でも気がつかないうちに笑ってるから不思議だ。
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