炭酸少女

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「……ぁ」 教科書からおずおずと出て来た顔が真っ赤になる。 それを見て更に微笑む自分。 恥ずかしがり屋なところは前と全く変わらない彼女を見ていると心が澄む。 これはこれで感謝なんだけど、さ。 「集中しなよ」 「だって…」 私を呼び止めたのはアンタでしょうが。 その呼び止めた私が勉強する妨げになってたら元も子もない。 …仕方ないから読書でもしていようか。すぐ終わるだろうし。 そう思って本を広げた私の手をマナは止めた。 「む」 「…分かったわよ」 私は半分呆れた溜め息を吐いてから頭を上げる。 マナは私が読書をするのを嫌うのだ。 訳は聞いたことはない、 が、露骨に嫌な顔をするからこんな時以外は大概自重している。
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