炭酸少女

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「それより、さっきから勉強が進んでないみたいだけど?」 「チヨちゃんを帰らせない為の口実だから大丈夫」 一瞬思考が停止する。 帰らせない為の口実? それはそれで嬉しいけど、だけど。 「アンタねえ…」 さも当然のごとく言い放つ彼女に私はついイラッときて両側のもみ上げを軽くつまみ上げた。 「それならそうと言いなさいよ。言ってくれればアタシだってちゃんと聞くわよ!」 「いたたたた、ごめんなさいごめんなさい」 「まったくもお。帰る」 「待って、私も一緒に帰るからー」 ホント、昔から変わらないというか子供と言うか。 そんなマナが羨ましい自分に腹が立つ。 私は私。どんなに願ってもマナみたいに可愛くはなれない事は分かってるんだけど、 理解していてもどうにもならない事ってあるんだわ、これが。 …可愛くないな、私って。
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