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「待って待って」
「はいはい。忘れ物してない?」
「ちゃんと確認したよ」
「じゃ帰ろっか」
「うん」
とびきりの笑顔で私の指と指の間に指を滑り込ませるマナ。
軽く握り替えしてあげると更に笑ってくれる。
ときに私はこれが苦手だったりするんだ。
嫌とかそんなんじゃなくて、くすぐったいような気持ちいいような変な気分になるからなるべく避けてる。
でもマナはそれを知ってか知らずか私から悪戯や意地悪された後は良くこれをしてくる。
しかも隙を突いて突然にやるから意地が悪い。
「えへへ。チヨちゃんってこれすると可愛くなるから好き」
「なっ。別に…可愛くとかならないし!」
「こんなチヨちゃんを沖田君に見せてあげたいなー」
「やけに沖田をプッシュするわね」
さっきといい今といい。
マナから同じ男の名前が連続で出るなんて珍しい。
あの人くらいしか連呼しないのに、何かあったのかな?
まさか筋肉好き同士友達になったとかは……ないないない絶対ない。
柔道部の沖田なんて黒くてムッキムキて汗と白い歯が光ってて…
うわっ、想像下だけでも鳥肌が。
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