死にたがりフラミンゴ

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少女にも、拒否権はあった。 俺はただ放っておけないという理由で 「殺さないけど家に来い」 と言っただけだったのだが、少女はそれに不思議と素直に従ったのだ。 「着いたぞ」 俺は一人暮らしをしているアパートに少女を招き入れた。 モノトーンで統一されたあまり物のない殺風景な部屋に、薄桃色がふわりと広がる。 少女はきょときょとと落ち着かない様子で部屋を見渡し、座れと促したソファーには座らず、隅っこにちょこんと座った。 「何にもしやしないさ」 「わかってる、でもここ、落ち着くから」 じ、と少女に見つめられる。 その視線に何の意味があるのか気になったが、俺はそれに気づかない振りをしてキッチンへと向かった。 少女に何か暖かいものを、と思い冷蔵庫を漁る。 だがめぼしいものは出てこなかった。 (レトルトカレーはあるけど飯がねえな……) そういえば今日の打ち上げのためにとかいって、数日前に買い物に出かけた際に買うものをセーブした気がする。 まあ、実際はその打ち上げの存在すら忘れていた訳なのだが。 仕方ない。 少々面倒だが買い物にいこう。
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