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俺は少女に声をかける。
「ちょっと買い物いってくるけどなんかいるもんあるか?」
膝の間に顔を埋めていた少女は、その言葉に反応し、きらきらした顔でこういった。
「……私もいきたい」
……意外な返事だった。
「いいけど……お前靴ないから連れて行くったって……」
「サンダルかなにかないの?」
なお食い下がる少女。
「あるけど俺のだぞ?」
「はければそれでいい」
俺の負けのようだった。
――――……
二つの長い影がゆらゆらと動く。
心なしか楽しそうに動く影は少女のものだ。
「楽しそうだな、ええと、フラミンゴ」
ゆらゆら、ゆらゆらと上下左右に小刻みに揺れる少女の影に声をかける。
ついでにおまえ、からフラミンゴに少し昇格。
「そんなんじゃない。サンダルが大きいだけなの」
振り返ると大きなサンダルと格闘する少女。
確かに、ずり落ちないように歩くのは大変そうだ。
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