死にたがりフラミンゴ

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「フラミンゴの靴も買いに行くか?」 ついこう言ってしまった。 長居させるつもりはない。 だからといって死なせるわけでもない。 だから、これから先必要なんじゃないかと思ったからだ。 少女はなぜか笑った。 「死にたがってる人間にずいぶん優しくするんだねえ」 くっくっ、とのどの奥から笑っているようなそんな声がする。 そんな少女を尻目に俺は言う。 「んー……人として当然なんじゃないか?」 「なんで? 死にたい死にたいって言ってる人間に対してそんなことできるもんなの? 死んじゃえばいいのにって思わないの?」 誰かのことを、言っているのだろうか。 彼女に殺してほしいと口にさせる原因を作った人なのだろうか。 まだ、決めるには早いが俺はそう思った。 「少なくとも俺はそうは思わないかな。誰と俺を一緒にしてるかは知らないけど、全員そうと決めつけるにはまだ早いさ。」 「……変なの」 ふいっと影が動く。 それからはずるずるとサンダルがアスファルトにすれる音だけが、ただ響いていた。
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