死にたがりフラミンゴ

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「俺からしてみたら生きることは死ぬことなんだけどな」 「え」 フラミンゴが口を開こうとする。俺はそれを遮るように明るい声でいった。 「よし、じゃあ今日は俺の一番得意な料理をごちそうしてやる! だからとりあえずキムチ探してきてくれ」 「……わかった」 すこし納得のいかないような顔をしたまま、フラミンゴはくるりと方向を変えた。 それに併せてふわりとフラミンゴのワンピースが翻る。 不自然に白いスーパーの床に、薄桃色が広がった。 それは俺の目に残像を残す。 そしてそれは後に俺にためらいを生むことになるんだろう。 そう自覚しながらも、俺はその薄桃色を目に焼き付けた。
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