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がさがさ
スーパーの袋がすれていく小気味悪い音をさせながら、とっぷりと暮れた町を歩く。
フラミンゴは、いまだに不服そうだった。
少しうつむきながら俺の横をよたよたと歩いている。
あまりにも沈黙が続くから、暗さも相まってか、耐えられなくなってフラミンゴをからかうことにした。
「おい、お菓子一個っつったのがそんなに不満か」
ふっと弾かれたようにフラミンゴは俺の方をみた。
「え? うん?」
「あ、いやなんでもない」
あわてて繕う俺。
フラミンゴは全く話を聞いていなかった。
ということは何かが不服なんじゃなく、何か考えていたのか。
「…………」
そしてまたうつむき始めるフラミンゴ。
何だろうか。
その後はそのままどちらもしゃべらず、ただ黙ってくらい遊歩道を歩いていった。
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