一つの物語

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「…ぼく…ショウって言うの…」 セトとレンは廃墟で見つけた子供と共に廃墟の外に脱出していた。 子供(ショウ)はセト達が追いかけていた猫を抱きながら話を続ける。 「この子(猫)はぼくの友達… いつも、寂しい時に傍に居てくれてたの… でも…さっき急にどこかに行っちゃって…」 「それで大きなくまさんの後ろに隠れてたんだね。」 レンはショウの頭を撫でながらそう言った。 「その猫は、きっと僕達を呼びに来たんじゃないかな? ひとりぼっちは、寂しいから…」 「でも、もうこれでひとりぼっちじゃないよ。」 セトの言葉に透かさずレンは言う。 「セトもショウもみんな一緒。私がいる。猫ちゃん達もいる。だから、ひとりぼっちじゃないよ。」 「…そうだね。みんな一緒だ。」 レンの言葉にセトは笑顔で応える。 「さぁ、行こう! まだ他にも人がいるかもしれない。」 セトは2人に両手を差し出して言った。 その手を笑顔でとった2人とセトは、同じ想いを抱いていた。 (僕(私)達は決してひとりぼっちじゃない!)       ―完―
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