一つの物語

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動き出したぬいぐるみはセトの前に立ったまま動かない。 「…?」 不思議に思ったセトは警戒しながらもその場を動かないでいた。 そのとき 「レン!?」 レンはぬいぐるみの方へ行き、後ろに回り込んだ。 「…やっぱり…」 「…?」 セトは警戒を解きレンの傍に歩み寄った。 そして、レンの見ている方、ぬいぐるみ後ろを見た瞬間セトは驚いた。 「 こども!?」 その子供は必死にぬいぐるみにしがみついている。 「どうしたの?」 レンは子供に話し掛けた。 「ッ来ないで…」 「どうして?」 「……」 レンはセトをみた。 セトは子供の傍に寄り、その子を優しく抱き締めた。 (……この子…震えてる…) 「大丈夫、もう、ひとりぼっちじゃないから」 「ッう…ぅく…」 子供はセトに抱き付き泣きはじめた。
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