三月~空緑

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 自分の心臓の音で目が覚めた。 本当は興奮しすぎてあまり眠れていなかっただけだが。  俺は月牙。二十歳になり、外の広い世界でいろいろな景色を見たいと思っている。 だから今日旅に出る。 親代わりの屯戸(トント)さんには悪いが、一生をこの村で過ごすことはできない。 未影にはもう話しをしてあり、一緒についてきてくれる。 未影とは二十歳代後半の、俺の兄みたいな存在。 昔は旅をしていたらしいけど、詳しいことは知らない。 魔法と剣術を教えてくれた師でもある。
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