勇気の誘い

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勇気も今日こそはと思っているに違いない。 つまらない数学の授業中、何が因数分解だよ、何がX×y×4の二乗だよと俺は常日頃思っている。 みんなはどうなんだろうと、俺は周りを見渡すと、一生懸命している奴もいれば、漫画を隠れて読んでいる奴もいる。 後ろの席の子を見てみようと、俺は後ろを振り返る。 かなりの確率で目が合う中、案の定目が合った。 「どうしたの神川くん?あっもしかしてうちに気があるとか?」 笑顔で言われ、なんでそうなるんだよと思ったが、 「違うよ!何してるのかなぁて思ってさぁ!あっ落書き上手いね!」 彼女のノートを見ると、俺の後ろ頭の落書きがリアルに表現されていた。 思わず笑いそうになったが、グッとお腹に力を入れて、我慢した。
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