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授業も集中できないまま、放課後を迎える。
「神川くん一緒に帰ろっ!」
いつも彼女が俺を迎えに来る。
あんなことを聞いときながら、どう帰ったらいいんだと思ったが、
「あ…あぁ!帰ろっか!」
少し戸惑いつつも、カバンを持ち、一緒に帰ることにした。
その日の帰り道は俺もそうだが、彼女もいつもとは雰囲気が違うことに気付く。
「あのさぁ……」
彼女が先に口を開くと、俺は何を言われるのかは分かっている。
「別れよ……」
理由は言わなくてもいい、全部聞いていたから全て分かる。
俺はその時、引き止める気持ちも無く、ただ頷くと、彼女は走って帰って行った。
俺の目に映る彼女、頭によぎる言葉、それを高校に入る時にまで、担いで持って来てしまったのかも知れない。
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