1#ひとりぼっち

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 そう言って笑う美幸と俺は血の繋がらない家族だ。  俺が出会った時、美幸は身寄りをいっぺんに亡くしたばかりで、美幸の父親が俺の両親の親友だった縁でうちの家族になったのだ。  世の中で不幸と言っている奴がなんだと、美幸をみていると思う。  美幸以上に不幸な奴なんかいない。  毎日毎日生傷が絶えないぐらい、いろんな不幸に合って、それでも美幸は笑ってる。 「あゆくんがいれば、アタシは世界一の幸せものなんだからっ」 「みゆ……っ」  変わらない笑顔を向けてくれる美幸を、俺は強く抱きよせた。  その瞬間、美幸のいた位置に鉢植えが落下して、ガシャンと割れる。  これぐらいは日常茶飯事だから、俺も美幸も気にしない。 「あゆくんがいてくれれば、アタシはなんにもいらないよ」  可愛い可愛い俺の美幸。  俺が絶対守るから、ずっと俺といてほしい。  君が居ないことこそが、俺にとっての最大の不幸だから。
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