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そう言って笑う美幸と俺は血の繋がらない家族だ。
俺が出会った時、美幸は身寄りをいっぺんに亡くしたばかりで、美幸の父親が俺の両親の親友だった縁でうちの家族になったのだ。
世の中で不幸と言っている奴がなんだと、美幸をみていると思う。
美幸以上に不幸な奴なんかいない。
毎日毎日生傷が絶えないぐらい、いろんな不幸に合って、それでも美幸は笑ってる。
「あゆくんがいれば、アタシは世界一の幸せものなんだからっ」
「みゆ……っ」
変わらない笑顔を向けてくれる美幸を、俺は強く抱きよせた。
その瞬間、美幸のいた位置に鉢植えが落下して、ガシャンと割れる。
これぐらいは日常茶飯事だから、俺も美幸も気にしない。
「あゆくんがいてくれれば、アタシはなんにもいらないよ」
可愛い可愛い俺の美幸。
俺が絶対守るから、ずっと俺といてほしい。
君が居ないことこそが、俺にとっての最大の不幸だから。
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