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夢なんて見るもんじゃない。
渋る両親を「社会ベンキョウだから」なんて説き伏せて、始めたバイトはコンビニ。
ホントは夏休み退屈しない為のお金が欲しかっただけなんだけど。
シフトがよく被るからって、あたしに仕事を教えてくれる大学生は、優しくっていい人だ。
10時までコンビニで働いた後は、近くのキャバクラに即入りして黒服やってるらしい。
長めのサラサラの茶髪に、眼鏡がクールで素敵。
ある意味あたしの最初の男はこの人だったな、って後から考えたらそう思う。
何でかって?
「……あ、や……い、痛っ」
痛みに身体をよじるあたしを押さえ付け、コンビニとキャバの黒服の二足の草鞋を履くリョウは、ふっと眼鏡の奥の瞳を和らげる。
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