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冷やして麻痺させた耳たぶから、ブチッて音が聞こえた。
感覚判らなくなる程冷やした筈なのに、やっぱり痛かった。
「……ホラ。空いたよ、マナミちゃん」
最初の印象とはだいぶ違うエロい声で囁いて、リョウはあたしのピアスを弾く。
「痛いってば！」
「消毒しっかりしとけよ」
素敵な人の前では可愛く見られたい、なんて乙女心を発動させつつ、学生街にある勤務先のコンビニは７時を過ぎると暇になる。
雑談混じりにピアスを空けたい、なんて言ってみたらこうなった。
真面目でいい人の筈のリョウは、見たことのない鋭い瞳をあたしに向け、「俺が空けてやろうか？」と言ったのだ。
まあ、いわゆるＳ男。
上に「超」と「ド」をつけたってお釣りが来る程の。
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