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数年が経ち、俺の寿命は終わりかけていた。
「なぁ…華?」
枕元にいる華に語りかける。
「んなー」
「俺…充分生きたよな…?」
「んなー」
自分の声ですら遠くに感じる。
華の声が遠くに聞こえる。
「お前は幸せだったか…?俺は幸せだったよ…」
「…なー」
華の声もぼやけていく。
「華…大好きだよ…ずっと一緒にいたかった…」
「なー」
華は俺の鼻筋や顔を舐めながら小さく鳴いた
「華…」
声が出ない。涙が出てくる。
俺は華が大好きだった。愛していたんだと思う。
真っ白な毛並みが、
甘えん坊なところが、
俺にしかなつかないところが、
全部が好きだった。大好きだった。
誓い守れなかったけど…俺は幸せだったよ
お前は幸せだったか?
「華…ありがとうな…」
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