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「華ちゃんなつかないねwww」
「真菜だけじゃないよw俺以外の誰かに甘えてるの見たことないからな」
そう、華は人を極端に嫌う。何故か飼い主の俺以外にはなつかない。
餌をあげようとした子供を泣かしたこともあったな…
「あーあ、なんか嫉妬しちゃうなぁ」
と、真菜が背伸びしながら呟いた。真菜が華に嫉妬?
「だってさ、誠宏には華ちゃんがいて、華ちゃんには誠宏がいる。お互いに必要としてるじゃん?」
「いや、人と猫は別だろ」
「ううん…誠宏が華ちゃんを見つめてる時の眼差し…すっごく優しいの。羨ましいと思うくらい。きっと誠宏は華ちゃんを家族みたいに思ってるんだね。
別にあたしか華ちゃんを選べなんてことは言わないよ?でも、華ちゃんへの眼差しの一部だけでも……あたしに向けてほしかった。2年も付き合ってるのに華ちゃんの方が愛されてると思う。あたし達の関係…何も進展してない。もう、無理なんだよ…きっと」
俺は何も言い返せなかった。
ただ、真菜が出ていくのを静かに見送ることしか出来なかった。
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