猫又

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「華…?俺、振られちゃったよ…」 「んなー」 華が俺を励ますかのように擦り寄って来る。 それもいつもより遠慮がちに。 「お前は悪くないさ」 華の喉を撫でながら真菜との思い出を振り返る。 楽しかった。 くだらないことで笑って、くだらないことでケンカして、くだらないことで泣いて、くだらないことが楽しかった。 すぐに追いかければ追い付くだろう。 だけど、何故かそうする気にはならなかった。 そうすることが華の存在を否定することに繋がるような気がして、大切な家族を否定してしまう気がして、、、 いつもそうだった。 選ぶ訳じゃないけど、人を好きになることが怖かった。同じくらい嫌われるのが怖かった。 だから、深入りはしない。恋人でも干渉し過ぎない。 そして一番の理解者。 常に傍らにいるのは華だった。
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