壱夢 「始まりしとき」

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後数歩の所で気付き急いで急ブレーキをかけた。 だが悪あがきだったようで、物理法則には逆らえず前のめりに体が倒れる。 「わっ!」「きゃ!」 スローモーションのように体が倒れ、目の前に白いが丈夫そうな膝が見える。 その時ふと走馬灯に入ったかのようにある言葉が蘇る。 「膝蹴りは拳で殴られるよりも痛い」 そして俺は強く身をもって痛感した。 額が割れるかの如く激痛が走り、叫び声は発せずにいた。 (酸素……) 無茶しすぎて声が消えたのだろう。 「だ、大丈夫ですか!?」
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