4人が本棚に入れています
本棚に追加
「なら殺せよ。俺は覚悟を決めている。死んだってもう悲しむ奴はいないし寧ろ喜ぶ奴が沢山いる。大体お前もその方が一番手っ取り早いんじゃないのか?」
決意の瞳には程遠く恐怖の瞳とはまた違う。
言うなれば「諦めた」に近い目だった。
「待っ…て……」
と割り込んで来たのは戸を開けた時に襲いかかってきた人だった。
今意識が戻ったのか、言葉はかすれ声で呂律がうまく回っていなかった。
「殺さないで……息子だけは、どうか、なんでもしますので」
意識朦朧としながらも眼はしっかりとこちらを見据えていた。
「母さん……!」
少年は駆け寄ろうとするが剣が喉仏に触れさせて今の状況を再確認させる。
少年は鋭い眼で睨んで来たが何も言わなかった。
「お願いです………。息子だけは………息子だけはどうか…………」
哀願する彼女を見て計画を変更した。
「そこまで言うなら息子は助けよう」
仕方無しにを大袈裟に表現しながら俺は言った。
「ありがとうござ『但し息子が自らお前に手をかけたらな』いま……え?」
最初のコメントを投稿しよう!