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喋っている途中に割り込んだ所為か彼女と少年は黙り込んだ。
だが理解が出来たのか少年は怒りを煮えたぎらせながら言った。
「つまり、お前は母さんを殺せ。と」
区切り区切りに、その内容を理解していきながら怒りが頂点に達するのを待っているかの様だった。
「どうしてだ」
「子供がいるって事を知っているのが、今いる俺と国王だけだからだ。俺の方は別に良いとして国王は黙って逃がしたら怒るからな。こういう精神的苦痛を味あわした事を報告したら国王は納得する。ぁ、後偽装報告は出来ないから、国王は虚偽報告がないか徹底的に調べるしな」
俺は事も無げに答えたが目は扉の方向を素早く見た。
その態度に耐えかねて少年は身構えた、その時彼女は大声で叫んだ。
「待って!………本当に私が殺されたら、息子は殺さないんですね?」
それを聞いて少年は目を白黒させ彼女の目を見る。
「………コイツを信じるのか?」
違うって言って欲しいというような目で見たが彼女は無視した。
「ああ、本当だ」
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