無視

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  「…チッ…ハズレだ。またアイツいるよ」 コンビニへ入りレジを見るなり、隣に立つ悪友は舌打ちをした。 コイツの名前は白井。クラスメイトにして同じバスケ部部員。 中学の頃から学内でも学外でも、何かとよくつるんでいる。 仲がいいな、とか言われるが、断じてそんなことはない。 いわゆる腐れ縁というヤツだ。 その白井が頭の上からもう一度舌打ちする。コイツは背がひょろりと高い。 オレは顔をしかめて白井を見た。 「バカ、聞こえんぞ」 「聞こえるように言ってんだよ」 そう言って、不機嫌なままレジを一瞥(イチベツ)した。 つられてオレもレジをちらりと見た。
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