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「情報収集、ねぇ」
霊夢はため息を吐く。
ふと、ある疑問が湧いた。上半身を起こし腕を組むと、蟻龍の目を見る。
「あんた、どこまで幻想郷について知ってるの?」
霊夢の質問に触発された魔理沙が、さらに続けた。
「そうだ、あんた向こう……、外の世界では何やってたんだよ。普通の外来人とは違うよな?」
「普通、外来人は幻想郷について知らないわ。紫と何か関係してるの?」
「そうか、あんた紫とグルだな?私たちをからかいに遣わされたんだろ」
「あの紫ならやりかねないわね。弾幕ごっこがお望みかしら?」
「俺は……」しかし蟻龍は意外にも、弱気な表情を作った。
「俺は、何故ここに来たかわからない」
「え?」
「わからないのだ。何故俺が幻想郷について知っているのか。何故俺が、幻想郷まで連れてこられたのか。そして……」
そこまでいうと、蟻龍は頭を抱えて黙り込んだ。
「そして、なんだぜ?」
「幻想郷に来る前の俺について、何も覚えていない」
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