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「つまり、記憶喪失ってこと?」
霊夢は真剣な顔をして呟いた。蟻龍は頭を抱えたまま、微かに息を漏らしている。
何かを堪えているように苦しむ様子を見て、霊夢は先ほどまで鬱陶しく思っていたこの男に同情し始めていた。
「急展開だぜ……」
魔理沙は信じられないと言うように口を開く。
そして、蟻龍は更に背を丸めると、絞り出すように呟いた。
「今のは、全部、嘘だ」
「本当、嘘みたいね。……え?」
蟻龍は抱えた頭を細かく揺らしていた。よく見れば笑っている。
「全部嘘だといっているのだ。記憶喪失などしとらんわ。馬鹿馬鹿しい」
魔理沙の八卦炉に光が凝縮し、霊夢の陰陽玉は目映く輝きだした。
「「出てけ!!!!」」
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