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突然、風が強くなったかと思えば、そこには黒い羽根の生えた少女が浮いていた。
蟻龍の頭には一人の人物の名前が浮かぶ。彼女はおそらく、幻想郷一厄介な、あの鴉天狗である。
「射命丸?」
「あややや、やはり私もご存知でしたか。貴方が蟻龍さんですね」
「ん?何故俺が知っていることを知っているんだ?」
射命丸は得意そうに胸を張った。
「取材ですよ、取材。貴方を誘拐した八雲紫さんから直接聞き出したんです。貴方が、幻想郷に訪れる以前から、幻想郷について詳しかったことをね」
八雲紫さんから直接聞き出したんです。蟻龍は、その言葉を脳内で反芻した。
「紫は他になんと言っていた?」
「いえ、詳しい事を話す前に、彼女には逃げられてしまいました。どうやらお取り込み中だったようで。流石の私も境界での移動を使われては追い付けません」
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