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「紫はどこに?」
「さぁ……。なにも、聞いていませんので」
「そうか」蟻龍は腕を組んだ。
「まぁいい。それより俺に何の用だ?」
「あっ」
鴉天狗は目を輝かせた。
「そうですよ、取材です、取材!ちょっと、向こうの山小屋へ付き合ってもらえませんか?」
「取材か」
暇潰しにはなるだろう。蟻龍はそんなことを考えながら、大きく頷いた。
「いいだろう」
「良かった、それじゃ、行きましょう。……あ、つかまって下さい」
射命丸は手を伸ばす。蟻龍がその手を握ると、彼をとてつもない速さで山小屋へと連れていった。
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