導入

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私はしがないルポライターである。 といってもルポライターと聞いてピンと来る人は少ないのではないだろうか。 何せここは幻想郷、ルポライターとは外の国で最近使われ出した言葉である。 意味を知らぬ読者の為に注釈を入れようとも思ったが、どうやら話の導入に使えそうだと判断し、此処に解説することにした。 ルポライターとはつまり、現地で取材をする記者の事だ。 「記者」と何が違うのかと思う読者もいるかもしれない。著者自身も最近知った語彙であり、初めて聞いた時はそう思った。 確かに意味合いとしてはジャーナリストやパパラッチでも同じだが、ジャーナリストと聞くと正義的なイメージが生まれるのに対しパパラッチだと俗物的なニュアンスになるのと同様、厳密には別物だ。 ルポライターは現地取材で得た情報をルポルタージュと呼ばれる文章に纏める。(ここではルポルタージュを単純に『ルポ』と略して表記する) ルポとは一種の文学だと言われる通り、情報文学とか記録文学とか言われることもある。もしかすると、こちらの方が馴染み深い読者もいるのでは無いだろうか。
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