ミスティアと俺

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蟻龍は湖畔のそばに着地した。 幻想郷自体そうだが、湖畔は特に静かで神秘的な空気をまとっている。空気が綺麗とはこの事だろう。そこにいるだけで心地よくなるような清涼感を感じる。 蟻龍は腕を組むと、後ろの木にもたれて目を細めた。 「うむ、慣れないと飛行は疲れるものなのだな……」 「あれ?あんた誰?」 いつの間にか眠っていた蟻龍が前方から聞こえた声に瞼を開くと、そこには数十糎しか離れていないであろうというのにその全身が見えるほど小さな少女が浮かんでいた。 「チルノか」 「えっ、なんであたいの名前知ってるの?会ったことあったかな?」 チルノと呼ばれた妖精は額に手をあて唸りながら思い出そうとするが、すぐに諦めた。 「まぁいいや。それでお兄さんは誰?こんなとこでなにやってんの?」 「お前を待っていた」 「へ?」 「訊きたいことがある」
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