プロローグ

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 その上で──  逝くに逝けない程に、この世に未練を残した者。残してしまった者は、気付かぬうちにこの世にその魂を留めてしまう。  成仏出来ずに。天国に逝けずに、永遠(とわ)の時を、後悔と無念の念で存在する事になるのだ。  そんな悲しい。そんな切ない魂を救う存在。そんな魂を天国へと送る存在。  それがこの古びた送迎バスである。  そんな魂の後悔を。無念を。  このバスは、あらゆるところへとその魂と赴き、その魂を送迎する。  その魂を。無念に満ちたその魂を、先程の話の様に満足出来る終わりにする為に──  
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